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アトピー性皮膚炎のQ&A 


アトピー性皮膚炎は、いくつもの原因が複雑に関わって引き起こされる慢性的な病気です。刺激により痒みを伴う湿疹がよくなったり悪くなったりします。現代は有症率が高く、対処には正しい知識をが必要です。

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治療について

 いつまで治療は続くの?

 アトピー性皮膚炎を短期間で完全に治すことはできませんが、粘り強く病気と付き合ううちに、皮膚の炎症が少しずつよくなり、最小限の薬で症状が落ち着いた状態に維持できるようになります。

そのため治療の目標としては、

@症状はないか、あっても軽微であり、日常生活に支障ががなく、薬もあまり必要としない

A軽微または軽度の皮疹は持続するが、急激に悪化することはまれで、悪化しても長引くことはない

という状態を目指します。

 アトピー性皮膚炎の治療法は?

 アトピー性皮膚炎の治療は、病気そのものを完治させる薬はないことから、@炎症を抑える治療、A悪化因子の除去、Bスキンケアの3つの方法を中心に行います。

炎症を抑える治療としては、ステロイド外用薬タクロリムス外用薬を中心とした治療を行い、かゆみが強い場合は飲み薬を併用します。

悪化因子は問診や検査などから慎重に判断し、できるだけ取り除くようにします。

炎症が始まった後は、保湿剤を使ってスキンケアを続け、皮膚のよい状態を維持します。

 よく使う薬は?

 アトピー性皮膚炎でよく使う薬には、ステロイド外用薬、タクロリムス外用薬、保湿剤、抗ヒスタミン薬抗アレルギー薬などがあります。

●ステロイド外用薬、タクロリムス外用薬:皮膚の炎症を抑える目的でよく使われる薬です。

●保湿薬:皮膚を保護し、水分を保つ作用があります。

●抗ヒスタミン薬、抗アレルギー薬:かゆみを抑える飲み薬です。

 ステロイド外用薬ってどんな薬?

 ステロイドはもともと体内にある副腎皮質ホルモンと同様の働きをする薬で、さまざまな臓器に働き、体調を整える、炎症や免疫反応を抑えるなどの作用があります。

効果がある反面、副作用も報告されています。

しかし、全身的な副作用な副作用が問題になるのは長期間ステロイドの飲み薬を使用した場合が多いです。

塗り薬の場合、皮膚から吸収される薬の量は少ないため、副作用も飲み薬より少ないのです。

もちろん、塗り薬でも塗る場所、量、期間、強さを十分に考えて使わないと、皮膚が薄くなる、血管が浮いてくるなどの副作用が現れることがあります。

副作用が出ないようにしながら症状を治すために、医師の指示通り薬を使うことが大切です。

 タクロリムス外用薬ってどんな薬?

 タクロリムス外用薬は、ステロイド外用薬とは違う働き方でアトピー性皮膚炎の炎症や免疫反応を抑えます。

そのため、ステロイド外用薬でみられる皮膚が薄くなる、血管が浮いてくるなどの副作用は起こりません。

ただし、使い始めに刺激が強く出ることがあります。

タクロリムス外用薬には、成人用(0.1%)と2歳以上の子供に使う小児用(0.03%)があります。

アトピー性皮膚炎の症状が中等症以下になったときに使うと効果的です。(重症の場合は、ステロイド外用薬などを使います)



 塗り薬は部位別に使い分ける必要があるの?

 一人の患者さんに程度の違う皮疹がいくつかある場合、数種類の塗り薬が塗る場所を指定して処方されることがあります。

また、塗り薬は体の部位によって吸収の程度が違いますので、それぞれの薬を使う場所と量が指示されます。

特にステロイド外用薬は症状や部位によって強さが異なるものを細かく使い分ける必要があります。

一般に顔は体や手足に比べて吸収が良いので、比較的弱い薬が処方されることが多いです。

塗り薬はきちんと指示通りに使い分け、他の部位に塗ったり、他の人にあげたりすることのないよう気をつけましょう。

ステロイド外用薬(ヒドロコルチゾン)の部位別経皮吸収量

ステロイド外用薬(ヒドロコルチゾン)の部位別経皮吸収量

 炎症が治まったら薬をやめていい?

 ひどい炎症でもステロイド外用薬やタクロリムス外用薬をきちんと使うと、キレイに治ったようにみえます。

しかし、アトピー性皮膚炎の患者さんの皮膚は乾燥しやすいため、異物(抗原)が侵入しやすく、症状がまた出やすい状態が残っています。

炎症が始まった後は、再び悪化することがないように、保湿剤を塗ってスキンケアを続けることが必要です。

炎症が治まっても、定期的に病院に通い、医師に皮膚の状態をみてもらうようにしましょう。

 塗り薬の正しい塗り方は?

 塗り薬の塗り方は人によってまちまちで、個々の症状に合わせて薬をもらっていても、塗り方が適切でないと、期待した効果が得られないことがあります。

正しい塗り方を知っておきましょう。

@ 汚れを洗い流した後の、清潔な皮膚に塗る

A 必要な量をきちんと塗る(炎症を抑えるためには通常1日2回は必要)

B 指の腹に塗り薬をのせて症状のあるところの中心に置き、なでるように薄くのばす。広い範囲に塗るときは、塗り薬を数か所に置いてのばす。

 飲み薬はどんな時に必要?

 アトピー性皮膚炎は強いかゆみを伴うことが特徴です。

ステロイド外用薬や保湿薬などで症状がある程度治まっていたとしても、痒みが強いと引っ掻いてまた悪化させてしまうことがあります。

痒みの程度は症状の程度や患者さんの痒みに対する感じ方などによって違いますが、いずれにしても痒みを減らす事は大切な治療のひとつです。

痒みがひどくてイライラしたり、十分に眠れないときなどは、痒みを抑える目的で抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬などの飲み薬を飲む必要があります。

 起こりやすい合併症は?

 アトピー性皮膚炎の患者さんは、アレルギーを起こしやすい体質(アトピー素因)であるため、気管支喘息アレルギー性鼻炎アレルギー性結膜炎などのアレルギー疾患にかかりやすい傾向があります。

また、皮膚のバリア機能が弱くなっていることから、細菌ウイルスが入りやすく、とびひ(伝染性膿痂疹)、水いぼ(伝染性軟属腫)、単純ヘルペス(カポジ水痘様発疹症)などにもかかりやすいといえます。

その他に、顔や目の周りに湿疹ができると、強く掻いたりこすることによって、目の病気(白内障網膜剥離など)を引き起こすことがあります。

顔や目の周りを強く掻いたり、たたいたりしないように気をつけましょう。

 症状がよくなったり悪くなったりするのは何故?

 アトピー性皮膚炎の皮膚はバリア機能が弱くなっているため、汗や摩擦、外から入ってきた異物(抗原)などの刺激を受けやすい状態にあります。

また、肉体的ストレス(風邪、疲労、寝不足など)や心理的ストレスなどが加わると、より一層炎症を起こしやすい状態になります。

従って、症状がよくなって安心してしまい、スキンケアを怠っていると、ちょっとしたきっかけでまた悪くなってしまします。

アトピー性皮膚炎の患者さんは、炎症が治まって症状がないときでも、以下のことをいつも心がけるようにしましょう。

@皮膚を保湿する:保湿剤によるスキンケアを継続しましょう。

A皮膚を清潔な状態に保つ:汗や汚れは毎日、入浴やシャワーで洗い流しましょう。

B睡眠を十分にとって疲労をためない:無理をせず、ストレスは早目に発散しましょう。

C生活環境を清潔に保つ:掃除や洗濯をまめに行い、晴れた日はふとんを干しましょう。

D体感温度に気をつける:できるだけ涼しい環境を心がけ、熱いお湯での入浴・シャワーは避けましょう。

E勝手に治療を中止しない:定期的に医師にかかり、皮膚の状態を診てもらいましょう。



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