世の女性たちは、肌に水分を供給して保湿するために化粧水を使っています。
しかし、化粧水にも水にも、肌を潤す効果はありません。
それどころか、肌をかえって乾燥させてしまいます。
その理由としては、水は皮膚の表面を壊しますし、化粧水も約9割が水からできているからです。
では、具体的に水はどのように皮膚の表面を壊すのか説明していきましょう。
皮膚自身がつくりだしている自家保湿因子のひとつ、天然保湿因子は、真水などとはまったく異なり、さまざまな種類のアミノ酸やたんぱく質の分子が結合していたり、電解質の形で存在しています。
これによって、肌を潤すことができ、また、皮膚の中の水分も蒸発しないですむのです。
ところが、化粧水などに含まれるのはただの水なので、肌を潤すこともできず、時間がたつと、その水は必ず蒸発します。
その結果、最上部の角質細胞の端がめくれ上がったり、浮き上がったりします。
すると、皮膚の中の水分は、その隙間からどんどん蒸発するので、肌は必然と乾燥します。
ところで、ここでみなさんがお使いの化粧水の成分表を見てみてください。
ヒアルロン酸などの保湿成分が入っていませんか?
これは水ではないので、肌を保湿する力はあるはずと思いがちですが、これも誤解なのです。
化粧水の約9割は水でできていますが、防腐剤や香りの成分、さらに最近の保湿化粧水ではヒアルロン酸やコラーゲンなどの、いわゆる「保湿成分」なるものが含まれています。
「保湿成分」ということは、やっぱり肌につけると潤うのではないかと思いがちですが、残念ながら、水だけよりもさらに乾燥させてしまうのです。
化粧水の水は肌につけても、いずれ蒸発します。
そこで、ヒアルロン酸やコラーゲンを入れてとろみをつけることで、水の蒸発を少しでも遅らせようというのが保湿化粧水です。
ところが、水分が肌に長く留まれば、それだけ多くの水分が皮膚の表面に吸着し、結果、蒸発する水分の量も増えます。
たくさんの水がいっぺんに蒸発すれば、わずかな水が蒸発していくよりも、肌の乾燥はいっそう激しくなります。
さらに、角質細胞の変形が大きくなり、バリアも大きく破壊されます。
それだけならまだしも、水分が蒸発した後、ヒアルロン酸もコラーゲンも粉体として肌に残ります。
そして、その粉体がさらに肌を乾燥させるのです。
どういうことかというと、ヒアルロン酸もコラーゲンも固体です。
しかし、化粧品の原料として使う場合は、粉末にします。
この粉末を化粧水に溶かしこんで、とろんとした液体をつくっているのです。
ところが、とろみをつけたとしても、水はいずれ蒸発します。
皮膚につけて1~2時間もたてば、水がほとんど蒸発して、ヒアルロン酸もコラーゲンももとの粉末に戻ってしまいます。
その粉末は、水分を蒸発させやすくする性質があるので、皮膚の表面にわずかに残った化粧水の水の蒸発を加速させ、しまいには皮膚の水分まで吸い上げるようになるのです。
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