保湿成分入りの化粧水を顔につけると、肌がしっとりしてもちもちしていると感じるのはどうしてでしょう?
化粧水に含まれるヒアルロン酸やコラーゲンのとろっとした感触を、しっとりと感じるためです。
でも、これは錯覚なのです。ヒアルロン酸やコラーゲンのとろみ感は、化粧水の水分の蒸発とともに直に消失してしまい、その後は乾燥によるつっぱり感が顕著に出てきます。
だからこそ、化粧品メーカーは化粧水の後には乳液やクリームをつけて「蓋をする」ようにと、謳っているのです。
ヒアルロン酸やコラーゲンは、皮膚の構成には重要な成分で、組織の中では水分保持の働きをしているので、イメージとしては美容や健康に良さそうですが、肌につけても乾燥させるだけでまったく意味はありません。
ところで、肌をひきしめる効果を期待して、水に収斂剤を入れた化粧水があります。
収斂剤とは、酸のことで、酸で皮膚表面のたんぱく質を凝固させて、肌をひきしめるものです。
一時的には良いのかもしれませんが、長期的にみると、やはり肌はボロボロになってしまうばかりです。
化粧品による油と界面活性剤の害~クリームに含まれる界面活性剤~
皮脂を模してつくられたクリームには皮脂と同じく、肌を保湿する力はほとんどありません。
それどころか、化粧水よりも肌に与えるダメージはずっと大きいのです。
クリームの界面活性剤は角層の構造自体を壊すのですから。
クリームは油と水を混ぜてつくります。
本来ならば水と油は混ざりませんが、界面活性剤を加えることで、このふたつは混ざり合い、クリームができあがります。
一方、角層は死んだ角質細胞と細胞間脂質が積み重なってできています。
角質細胞にはアミノ酸などの水溶性の保湿成分が含まれ、細胞間脂質はセラミドを主体とした脂質成分からなる脂溶性の保湿成分が含まれています。
さらに、細胞間脂質の中でも、水・油・水・油・・・・・・というように交互に何層にも重なり合って、保湿バリアが形成されています。
角層はこのように二重構造によって皮膚の水分の蒸発を防ぎ、外界からの化学物質や異物の侵入を防いでいるわけです。
ところが、クリームは角層内の水溶性の保湿成分も脂溶性の細胞間脂質も溶かし、さらには細胞間脂質の中の水・油の二重構造も一緒に壊していくのです。
このようにして、バリアを失った肌が乾燥するのは当然です。
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