角層の表面には、拡大して見てみると、網目状の溝が走っています。
この溝が肌のキメで、皮溝ともいいます。
真皮と表皮の境を顕微鏡で見ると、真皮と表皮が交互に入り込んだり、出たりしながら噛み合って、波形になっています。
この凹凸にともなって、角層の表面もキメをつくっており、健康な肌では、角層のキメが深く、また、表皮と真皮も深くしっかりと噛み合っています。
けれども、キメが浅いと、表皮と真皮の噛み合わせも浅く、また、キメがなくなっている肌では、表皮と真皮の境は平らです。
この表皮と真皮の境の部分は、ちょうど表皮細胞が生まれる基底層にあたります。
しかし、基底層が凹凸ではなく平らでは、基底細胞の数が少なくなるので、新しい表皮細胞や角質細胞は不足してしまいます。
すると、皮膚は広がる力がなくなり、縮むので、細胞が互いに引っ張り合うようなかたちになるため、皮膚はぴんぴんに張ってしまい、その結果、キメなどできる余裕はなくなってしまうわけです。
これが萎縮した皮膚です。
また、角質細胞が垢となって、1個剥がれ落ちると、それがシグナルとなって基底層で表皮細胞が1個生まれます。
これによって、肌は凹凸にはならず、どの部分でも常に平らなのです。要するに、通常、皮膚の調整は、皮膚表面の死んだ角質細胞がおこなっているということなのです。
さらに、角層がダメージを受けて保湿膜とバリアが破壊されれば、表皮全体が薄くなり、それにともなって真皮も薄くなり、結果皮膚全体が薄くなってしまうのです。
皮膚が薄くなると、くすんで見えたり、小ジワができやすくなり、また、皮膚の下の血管や筋肉が透けやすくなるため、目の下にクマができたり、色ムラが生じるのです。
したがって、間違ったスキンケアで角層がダメージを受ければ、その影響は皮膚全体に及ぶのです。
一番表面の角層が皮膚全体を調整しているので、直接肌につける化粧品がストレートに作用してくるのです。良いことも悪いことも・・・
腸内細菌について
人間の体では、日々数えきれない数の細胞が新しく生まれ、古い細胞と入れ替わっています。
細胞のこのような新陳代謝には、さまざまな栄養素が必要です。
よって、口から摂取する食物だけでは足りないのです。
しかし、これを補うために60~100種類、100兆個にも及ぶ腸内細菌が、フル稼働して不足している栄養素をつくりだしているのです。
たとえば、草食動物の牛や馬、キリン、ウサギなども、細胞の新陳代謝にはたんぱく質が不可欠です。
しかし、これらの動物は肉や豆を食べなくても、腸内細菌がたんぱく質のもととなるアミノ酸やペプチドなどをつくり出してくれます。
また、肉食動物のライオンやトラなども腸内細菌のおかげで野菜に多く含まれるビタミンやミネラルは足りているのです。
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