皮脂は毛根内部についている皮脂腺から分泌されますが、時間がたつと酸化して、過酸化脂質に変化します。
要するに、腐った脂肪になるわけです。
これが皮膚を刺激して炎症を起こし、それが何度も繰り返されると、組織に慢性的なダメージを与えます。
みなさんは人間の体の中で一番肌がきれいな場所といえば、どこの部位を思い浮かべるでしょうか?
それは腕の内側やももの内側、胸まわりなど、毛の少ない部位です。
毛が少ないということは、皮脂腺も少なく、分泌される皮脂の量も少ないので、過酸化脂質(腐った脂肪)によるダメージも少ないのです。
よって、キメの細かい、美しい肌が保たれているのです。
反対に皮脂が多く分泌され、肌ダメージが大きい体の部位は顔や背中、おしりなどになります。
また、皮脂膜をつくっている皮脂にも、保湿効果がありますが、それは保湿効果全体の1%にも及びません。
残りの99%は自家保湿因子の力によるものなのです。
皮脂にはほとんど保湿効果がないばかりか、むしろ肌にダメージを与えかねないものなのです。
常在菌について
人間の体には無数のさまざまな種類の細菌が生息しています。
この細菌たちを常在菌といいます。
常在菌は生息する替わりに、人体にいろいろな「貢献」をしています。
つまり、人体と常在菌は共存共栄の関係にあるのです。
その常在菌は皮膚にも棲みついていて、特に毛穴の中には奥まで入り込んでいます。
その一番の働きは、カビや酵母菌、雑菌などから肌を守ることです。
要するに、常在菌は私たちの皮脂や汗をエサにして、酸を排泄し、この酸のおかげで皮膚は常に弱酸性に保たれているのです。
カビや酵母菌、雑菌などはアルカリ性を好むため、常在菌によって弱酸性に保たれている皮膚には近づけないし、中へもむろん侵入できないというわけです。
また、常在菌は表皮を活性化させるような栄養分を提供しています。
もともと表皮には血管もリンパ管もきていません。
しかし、常在菌は毛根や汗管などに入り込んで表皮細胞に栄養を供給しているのです。
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