皮膚は体の表面をカバーして水分の蒸発を防ぐという重要な役割をしています。
この役割を果たすために、皮膚の細胞はみずから保湿成分をつくり出しています。
これを「自家保湿因子」といいます。
人工的につくった保湿成分(化粧品会社が開発した保湿成分)は、人間の肌自身がつくる保湿力の1%の効果も発揮できないものばかりです。
大きな効果がある自家保湿因子に、人工的なオイルやクリームを混ぜても、それらは「不純物」にすぎません。
反対に、肌本来の保湿力を低下させるだけです。
表皮と真皮について
成人の全身の皮膚を広げると、畳約1畳分にもなり、重さも約3~4kgとかなりの重量になります。
そもそも、皮膚というのは、皮膚の表面を覆っているとても薄い表皮とその下にある厚くて丈夫な真皮との、ふたつの層からできています。
厚くて丈夫な真皮は、その上の薄い表皮を支える「裏打ち」のようなものです。
皮膚はいわば、厚くて丈夫なタオルの表面に、薄いラップを貼り付けたような構造をしているのです。
表皮の厚さはわずか0.04~0.07mm。ラップ1枚ほどの厚さですが、そこには表皮細胞が5~10層重なるように並んでいます。
反対に、真皮は表皮の約10倍ほどの厚みがあり、おもに、弾力に富んだ丈夫なコラーゲン線維とそれを製造している線維芽細胞から形成されています。
肌に弾力やハリがあるのも、この真皮のコラーゲン線維のおかげです。
なお、真皮には表皮と違って、栄養を吸収し、老廃物を運ぶための血管やリンパ管が縦横にたくさん走っています。
コメントを残す