参考として、コストダウンの失敗例についても紹介します。
例を元に、同じ轍を踏まないよう参考にしてください。
とある地方で、ガソリンスタンドを数店経営しているH社のコストダウン意識は強く、経営コンサルタントがお昼の1時に本社を訪問したところ、節電のためにオフィスの電灯は消されていました。
さらに、目のつくところに「節電」「時は金なり」といった張り紙があり、節約モードに満ち溢れていたそうです。
「これだけ経営陣がコストダウン意識を持っているのなら、経営も堅実にやっているのだろう」と思ったコンサルタントは、テナント料のコストダウンについて社長と契約を交わしました。
1ヶ月ほど経って、コンサルタントにH社長からクレームの電話が入りました。
「地主から『直接言ってくれればいいのに、代わりを使うとは水臭い』と文句を言われた」とのことでした。
H社が運営しているガソリンスタンドは、社長の知り合いの地主から借りている土地でした。
契約は社長からの相談で、代表取締役印もいただいた上のことだったのですが、結局依頼はキャンセルとなってしまいました。
他にも、「現場主導で固定電話のコストダウンのため、他社に切り替えたら既存の業者から社長に直接連絡が入り、元に戻す羽目になってしまった」「テナント料のコストダウンを進めようとしたら、オーナーが社長の知り合いで社長にクレームの電話が入ってしまった」「携帯電話会社を切り替えたところ、通話できないエリアがあり、再度見直しを余儀なくされた」「宅配料金のコストダウンについて全社告知したが、総務部の担当者から直接話を聞いていないと事前相談に対する不満が上がった」などの例があります。
やはり数字的な失敗よりも、コミュニケーションレベルでのクレームが多いようです。
皆さんの実行に、これらの失敗が生かされればと願っています。
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