コストダウン!

コストダウンを実践している多くの会社で成果に導いているのは、前向きに取り組む社員のアイデアが多いのです。

経営者の視点

経営者の視点

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オーナーや社長は給料を支払う側であり、社員にとって会社のお金は他人のものです。

このスタンスの差は想像以上に大きいですが、縮めること諦めてはいけません。

肝心なのは、意識の差を前提に事に当たることです。

そして、トップが率先してやらなければ成功はあり得ません。

「部下を持ったら、『スカートをはいて下から見上げられている』と心得よ」と表現した人がいるそうですが、言い得て妙です。

立場が高くなるほど大きなスカートになり、下から覗いている人数が増えます。

それだけ多くの人々から見られていることを意識するとともに、上から下はなかなか見えないことも気をつける必要があります。

トップである以上、一挙手一投足が社員の手本にならなければなりません。

○良い時も悪い時も

「こう景気が悪いと……」とぼやく人は多いですが、好業績の時に「景気が良かったおかげです」と謙遜する人はあまりいません。

会社経営には良いとこもあれば、悪い時もあります。

景気が悪くなって初めて経費削減・コストダウンを叫ぶのでは、経営者の危機管理に疑問を持ちかねません。

先を見据えて会社の資産をきちんと蓄えておくのも、広い意味でコストダウンです。

信用を失墜するほどの不祥事が起こったら……、大口顧客が取引先を変えたら……、銀行の融資が断ち切られたら……、未曾有の天災が起こってしまったら……。

ありとあらゆるリスクを想定し、対処を講じておくのも経営者の仕事です。

会社の全てのリスクを受け入れることを誓った人が経営者ですから、言い訳は許されません。

○率先垂範

新規企業の立ち上げや、不祥事からの立て直しなどと同様に、コストダウンは重要なテーマです。

会社で取り組むのなら、軌道に乗るまで社長が陣頭指揮に立つことです。

部下任せでは、真剣度が伝わりません。

自ら陣頭指揮に建てば、現状も良く把握でき、方針決定のスピードも早くなります。

コストダウンは会社存続において常に行わなければならず、大切な企業活動です。定着させるという強い決意があるのなら、率先して行動に移すべきです。

なお、気をつけることはコストダウンにおいて経営陣を特別扱いしないことです。

下の者たちには「物を大切に」「コストについて意識を持とう」と口を酸っぱくして叫んでいるのに、自分たち経営陣は以前と変わらず自己革新する気配がなければ、社員の士気を下げるばかりか会社への思い入れも薄れ、いい加減な仕事しかしなくなってしまいます。

マネジメントの要諦は「率先垂範」、先に立って模範を示すことです。

そうすれば、社員も同じ方向を目指してくれるはずです。

○公私混同からの脱却

中小零細企業の経営者に多いのが「公私混同」です。

本業以外の出費や自分個人の欲求を満たすための出費について、会社の経費で落とすのです。

会社の売上を基に給料をもらい、そこからやりくりして生活しているサラリーマンからしてみれば、とても納得できるものではありません。

経営者としての報酬は受け取っている以上、個人的な出費はその範囲で賄うのが当然です。

上層部の言動について、部下はシビアに見ています。

さらに、悪いことほどすぐ真似をするのが人のさが。

一度悪い体質が根付いてしまうと、元に戻すのは至難の業です。

もし、既に悪い習慣がはびこっているのなら、気付いた時に直しましょう。

経営者自らの姿勢で見せることが何よりの特効薬となります。

○初心忘れるべからず

事業を興す時や企業の創業者は、かなり経費削減されてきただろう。

これから茨の道に進むと決めた時、軌道に乗るまでは、お金を使うのはお金が入ってからと言い聞かせてきた人も多いはずです。

この姿勢をこれからも持ち続けましょう。

会社も順調に売上を伸ばしているし、社員のみんなもコストダウンに協力してくれている。

「これくらいでいいかな」と思う時もあるでしょうか、それは自身自身への甘えになります。

自分が隠遁生活に入った後でも、会社は存続し続けなければなりません。

ならば同様にコストダウンを継続して考えていかなければなりません。

○ケチケチ経営

人からケチと思われるのは、あまり嬉しいことではありません。

しかし、こと経営においてはケチは悪いことではありません。

もちろん、ケチと倹約・節約は違います。

私たちが目指すのは倹約です。周囲から何と呼ばれようが、お金を大切にすることがお金を社員に還元できるのですから。

しかし、見栄を張り、いい格好をしてしまうのが人間。

そんな時は1歩引いて考えましょう。

見栄を張ってまでしなければならない付き合いは、適当な理由をつけて断れることが多く、それで途切れてしまう縁は、所詮それまでの縁、お金だけの繋がりです。

それを続けていれば見栄が次の見栄を呼んでしまうでしょう。

○後継者を育てるなら

多くの企業が抱えているのが後継者問題です。

後継者が名実ともに真の経営者となるには、社内と社外の現状を把握する情報力、より会社を発展させるための分析力、社員を統率するリーダーシップを有していなければなりません。

そしてそれを社員全てが認める実績が必要です。その材料としてコストダウンをうってつけです。

社内の現状を分析し、より改善していく術を自ら打ち出し、率先して切り開いていくのです。

成果が大きければ大きいほど、大きなインパクトとなるでしょう。

○コストダウンすべきでないもの

ケチケチ経営でいくといっても、何もかも抑えればいいというわけではありません。

日々、現場で働く社員は売上拡大に加え、新たにコストダウンを背負って頑張っています。

そんな彼らの士気を下げるわけにはいきません。

また、会社の売上を担う製品や商品の研究開発費の見直しは、慎重に行うべきです。

○担当者選び

コストダウンを会社単位で取り組み場合、総務や経理部から担当者を選ぶことが多いのは、会社の経費全般を把握しているだろう、数字を見ている分、問題意識が高いだろう、営業や現場担当は売上拡大が最優先などといった理由からと思われます。

しかし、総務・経理や管理部門からコストダウン担当者を選ぶのは、できるだけ避けるべきです。

なぜなら、数字に近い彼らは通常業務の延長を感じ、「仕事が増える」と負の感情に陥ったり、「これまでさぼっていたと思われる」と捉えたりすることがあるからです。

つまり「やらされ感」です。

職種的に数字が当たり前になりすぎて、新たなアイデアが出ないことが往々にして見かけます。

運動を成功させるには、さまざまなアイデアを生み出し、それを実行していく行動力がなければなりません。

ならば、いろいろな部署から前向きに取り組める人材に任せましょう。

また、「自分ができる人間だと示す絶好の機会だ」と、野心溢れる人材もいいでしょう。

過去にコストダウンに取り組んで、前者の下では進まなかった運動でも、後者に任せて見違えるように大きな成果を生み出したという例もあります。

しかし、それで前任者を責めてはいけません。

それらを見ている社員に「責任を追及されるなら担当したくない」と思わせてしまいます。

否定的な感情が生まれてしまったら、前向きなコストダウン運動にはなりません。


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