初めての役員・取締役入門

会社の所有者である株主ではなく、経営の専門家である「取締役」が株式会社の実際の事業を行うのです

報酬の決め方

報酬の決め方

報酬の決め方

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取締役の報酬体系は会社によって異なりますが、一般的には次の5種類があります。

  1. 月額の固定報酬
  2. 業績連動型の賞与
  3. ストックオプションを含めた株式報酬
  4. 退職慰労金
  5. 社宅などその他の非金銭報酬

取締役の報酬は、定款または株主総会で決めることになっており、定款で定められていない場合は、株主総会の決議によって定めます。

しかし、取締役の報酬を変更するたびに定款を変更すると、その都度、株主総会での特別決議が必要になり、柔軟に変更することができないので、ほとんどの会社は株主総会で決めています。

また、株主総会で決定するとされている理由は、報酬を取締役会だけで決めると、会社の業績の良し悪しに関係なく報酬を増額するリスクがあるからです。

ただし、定款で定めている総額、または、株主総会の決議で定まった総額の範囲内であれば、具体的な支給額を取締役会で決定することが可能です。

そこで、実務上は、株主総会の決議で取締役報酬の1年間の上限額だけを決めて、取締役会でその範囲の中で各取締役の報酬を決めることが多いようです。

支給額は報酬基準額を決め、役職がつくとその分を加算することが一般的です。

また、手続きとして、取締役会決議で個別の報酬額の決定を代表取締役に一任する場合もあります。

一方、一度株主総会で取締役報酬の総額を決議してしまうと、その後何年間もその決議の報酬総額が有効になっている会社が多くあります。

しかし、毎年、株主総会で会社の所有者の意思を確認することが本来あるべき姿だといえるでしょう。

取締役のボーナスである役員賞与は、旧商法では、固定報酬とは別に毎年株主の承認を得て厳密に取り扱われていました。

しかし、2006年の新会社法になってからは、取締役報酬の一部として固定報酬と考えられるようになり、株主総会の決議で決められた範囲内であれば、固定報酬と同様に自由に決めて支給することができるようになりました。

そして、税務上の要件を満たせば損金として取り扱うこともできるようになりました。

しかし、実際には、その年の業績に応じて、一定の基準に従って賞与の額を決定している会社が多いようです。

なお、従業員の賞与は賃金なので労働債権です。

そこで、破産時には法律上の優先債権として保護されます。

しかし、報酬である取締役の賞与は、単なる債権となるため保護されません。

取締役の報酬には、金銭による報酬のほかに、会社の社宅を無償もしくは低賃料で提供するなどの非金銭的な報酬の支給もあります。

しかし、これらも報酬であることには変わらないため株主総会の決議が必要です。

なお、非金銭報酬の種類には制限はありません。取締役の退職慰労金は、取締役としての在職期間中の功労に対して支給される報酬の後払いのようなもで、所得税が20%と優遇されているため、退職慰労金制度を導入している会社は多いようです。

支給する際には株主総会の決議に基づく必要があり、退職慰労金の受給資格を持つ取締役の退任があるごとに、退職慰労金の支給議案が株主総会に上げられ、支給の有無が決定されます。

しかし、報酬額については、取締役の個人情報でもあるため、株主総会では具体的な金額までは決議しません。

そこで、株主総会では、一義的なルールに従って退職慰労金の額が算出できること、また、退職慰労金規定が本店に備え置かれて株主が営業時間中に閲覧できるなど、一定の要件を充たせば、支給額や支給時期などの決定を取締役会に一任できるとされています。

そして、株主から退職慰労金の具体的な金額を聞かれた場合には、その算出方法の概要を説明する義務があります。

取締役の報酬額は、株式に譲渡制限の定めのある非公開会社では開示する必要はありません。

しかし、株式に譲渡制限の定めがない公開会社では、株主総会の招集通知に添付する事業報告書の中に、当該事業年度に取締役が受給した報酬の総額を記載しなければなりません。

また、証券取引所に株式を上場している上場会社は、平成22年3月期の有価証券報告書から、取締役、監査役、社外役員ごとに、基本報酬、賞与、ストックオプション、退職慰労金などの報酬の種類ごとの総額を開示しなければならなくなりました。

さらに、子会社からの報酬の支払いを含めた連結報酬等の総額が1億円以上である取締役に関しては、個別に報酬額を開示することが義務づけられています。


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