初めての役員・取締役入門

会社の所有者である株主ではなく、経営の専門家である「取締役」が株式会社の実際の事業を行うのです

取締役会

取締役会による代表取締役の監督

取締役会による代表取締役の監督

取締役会にひとつの職務に、代表取締役の職務執行の監督があります。

特に、代表取締役の選任・解任は取締役会の重要な権限です。

取締役会は代表取締役に対して、会社の利益を最大に発揮させるように職務を施行することを求めなくてはいけません。

そして、代表取締役の職務が会社の利益や成長にプラスになっていないと判断した場合は、改善するように要求することができます。

それでも改善されない場合には、代表取締役を交代させることができます。

取締役会には権限だけでなく、そのような機能も期待されています。

取締役会がきちんと代表取締役を監督していれば、不祥事を未然に防ぐことができ、万が一不祥事が発生した場合でも、それが予期できないものだと誰もが認めた場合は、取締役の監督責任を問うことは難しくなります。

一方、終身雇用が原則であった日本の企業の取締役会では、代表取締役と他の取締役が同僚同士であることが多く、実際には代表取締役を監督するということはなかなかできません。

また、役付でない取締役が代表取締役に意見することは容易ではありません。

しかし、反対意見を述べずに会社の経営がおかしくなった場合、意見を言わなかった取締役も連帯責任になります。

そこで、各取締役は代表取締役を監督する義務があることを認識し、慣れ合いになることは避けなくてはいけません。


取締役会に出席できない場合

取締役会に出席できない場合

取締役は、取締役と会社間の信頼関係を前提とした委任契約関係です。

そこで、代理人を取締役会に出席させることはできません。

しかし、海外勤務や海外出張などで、ほとんど取締役会に出席できない取締役もいます。

国内でも全国的に事業展開している会社は、各地方に取締役支社長を置いている場合もあります。

そこで、実務上、電話会議やテレビ会議システムによって取締役会に出席する場合もあります。

海外勤務の取締役が多い場合などには、書面決議の制度を利用することができます。 (さらに…)

取締役会の決議事項

取締役会の決議事項

法律で定められている取締役会の主な決議事項は次の通りです。

  1. 譲渡制限株式等の譲渡承認
  2. 自己株式の取得等の決定
  3. 取得条件付株式の取得
  4. 株式の分割、株式の無償割当
  5. 所在不明株主の株式の競売等
  6. 公開会社における募集株式・新株予約権の募集事項の決定等
  7. 株主総会の招集の決定
  8. 代表取締役の選定
  9. 取締役の競業取引、利益相反取引の承認
  10. 計算書類・事業報告・付属明細書の承認
  11. その他 (さらに…)

取締役会の招集手続き

取締役会の招集手続き

取締役会の招集通知は書面である必要はないので、メールや口頭での招集も可能です。

取締役会の招集期間は定款で3日程度に短縮されている場合が多いので、招集通知の書面送付は現実的ではありません。

そこで、メールを利用されるケースがほとんどです。

取締役会は通常は月1回の定例取締役会に加え、重要な案件が生じた場合に開催される臨時取締役会など臨機応変に開催されます。

そこで、招集手続きも臨機応変に行われなくてはいけません。 (さらに…)

取締役会の権限

取締役会の権限

取締役会の役割は、次の3つに大別されます。

1 重要な業務執行の決定

取締役会は会社の経営方針を決定する機関として、役員の選任・解任や定款変更など株主総会での決議事項以外の経営上の重要事項を決定する。

なお、すべての意思決定事項について取締役会を開くことは現実的でないので、日常的な意思決定業務は代表取締役に権限が委ねられる。

しかし、重要な財産の処分・譲り受け、多額の借財、支配人その他の重要な使用人の選任・解任などの重要事項は、取締役会での決議が必要。 (さらに…)

取締役会と監査役

取締役会と監査役

会社の事業規模が大きいと、株主から経営を委任された取締役の仕事の範囲や行使する権限も大きくなります。

そこで、「監査役」と「取締役会」を設置して、取締役が権限を濫用しないようにチェックすることが必要になります。

監査役の主な役目は、取締役の業務をチェックすることです。

会社の会計処理がきちんと行われているかを監視することを「会計監査」といい、取締役の業務執行が適法に行われているかを監査することを「適法性監査」といいます。

しかし、これだけでは取締役の行動をチェックするには不十分です。

そこで、取締役で構成される取締役会を設置して、監査役とダブルチェックで取締役を監視します。

監査役が取締役が執行している業務が適法であるかどうかを監査するのに対し、取締役会は取締役の「業務執行の妥当性」、つまり、取締役の行為が会社にとってプラスであるか、または阻害要因になっていないかを監査するのです。 (さらに…)