営業管理職のための知識

貴社の営業担当部署には、会社の営業指針を示す、マニュアルや行動方針などが存在し、文章化され、全員がそれを熟知していますか?

「分ける」と「解かる」 

「分ける」と「解かる」 

「分ける」と「解かる」 

このエントリーをはてなブックマークに追加

○分解すると見えてくる

さて、このビールの注ぎ方の話を、自社の営業に置き換えて見ます。

それが、「プロセスに分解する」ということです。

プロセスに分解すると、問題の重要さの程度と、何を問題にすべきかが明瞭になります。

マクドナルドの創業者であるL氏は、「何事も細分化すれば、困難ではない」と言っています。

たしかに、ビールの注ぎ方について、分解した個々の行動を見ると、決してむずかしくはありません。

それを分解せず、ただ最終結果だけを求めるとむずかしくなります。

まさに、この「分解する」という構想が、プロセスマネジメントの基本です。

○自社の営業活動を分解してみます

では、自社の営業活動を分解する作業を開始しましょう。

自社の営業の「型」を作るときには、「商談プロセス」と「面談ステップ」の2つの型を考えます。

「面談ステップ」とは、個々の営業マンのスキル(腕前の熟練度)です。

まず営業マンは、対象先をリストアップし初回面談→要望確認→提案・見積提示→最終調整→契約(受注)→アフタフォロー(ファン化)という手順で営業を進めます。

いずれの過程でも、事前準備に始まり→アプローチ→ヒアリング→プレゼンテーシィン→クロージングという面談ステップ(問題を解決する営業)で、面談での好結果を出そうと考えます。

営業マネージャーにとって大事なのは、「商談プロセス」です。

当然のことながら、業種と会社の営業形態によって、「商談プロセス」はそれぞれ異なりますが、自社の「商談プロセス」の、問題点を早く発見して、早急に対策を立てることが肝要です。

○すべての行動は分解することができます

プロセスに注目し、見える化することについて、パン工場の事例です。

このパン工場の目標は、「おいしいパンを作ること」です。

今よりもおいしいパンを作るには、どんな行動を取るべきでしょうか?

「気合を入れて働け!」「心を込めて作れ!」、といった精神論でないことは言うまでもありません。

プロセスごとに分解して考えるべきです。

まずプロセスです。

材料(小麦粉・水・イースト菌)を配合→こねる→発酵→焼く→おいしいパン、の順序です。

では、このプロセスごとの注目すべき点は何でしょうか。

イ、配合の割合(小麦粉、水、イースト菌)は適切か?

生地をこねる回数は適切か?

発酵させる時間は適切か?

焼く温度は適切か?

以上のようにプロセスごとに点検すると、注意すべき点が見つかり、「今よりもおいしいパンを作る」という目標に接近することが可能です。

○営業プロセスから見えるものとはなにか

では、会社の営業プロセスを分解してみます。同じ会社の営業マン、社員Aさんと社員Bさんの実績を比較してみます。

≪プロセスを分解しない状態≫

社員A(部署A,商品A)面談→受注→時間の経過と結果

社員B(部署B、商品B)面談→受注→時間の経過と結果

上記では、AさんとBさんの「初回面談」と「受注」の件数は同じです。

これだけですと、二人はスタートもゴールも同一で、営業活動も同様に見えます。

≪プロセスを分解した状態≫

社員A(部署A,商品A)面談→提案→見積→(ここに課題)

稟議→受注→時間の経過と結果

社員B(部署B,商品B)面談→(ここに課題)提案→見積→稟議→受注→時間の経過と結果

上記では、「提案」「見積」というプロセスに分解し、2人の違いがわかります。

Aさんは、「面談」から「提案」までの歩留率が非常に高いのですが、「見積」から「稟議」に至る歩留率は非常に低いのです。

一方のBさんは、「面談」から「提案」への歩留率が低くなっています。

課題を発見するためには、「ボトルネック」の手前に注目すべきです。

「ボトルネック」とは、瓶やジョウロなどの、くびれた部分にたとえた表現です。

血管でいえば、詰まった状態です。

つまり、営業マネージャーがこの2人を指導する場合、どこに留意すべきかというと、Aさんの場合は「稟議」のプロセスの手前に課題があるため、ムダな「見積」を出していないか、「見積」まで到達した顧客へのクロージングの方法に間違いがないかという点です。

それにより成果の上昇が予想できます。一方Bさんの場合は、「提案」プロセスの手前に課題があります。

「初回面談」の訴求方法が不適当である可能性があります。

また、初回面談に持参すべき資料や、応答内容をきちんと準備しているかを確認すべきです。

このように、プロセスを分解することにより、課題とその原因となるプロセス=ボトルネックが見えてきます。

課題となるプロセスの前に、必ずボトルネックがあります。

しかし、プロセスを分解しなければ、課題もボトルネックも見えてきません。

いかにプロセスを分解することが重要であるかが、お分かりいただけたかと思います。

○結果の数字だけでなく、プロセスを管理する

ここで、さきほどのパン工場の事例を思い出してみましょう。

「おいしいパンをつくる」という目標だけを管理しても、結果にはつながらないということです。

「みんな、明日は今日よりも、一段とおいしいパンを作ろう!」「今日のパンでは、満足できない!」というようなかけ声だけでは、パンの味は変わりません。

結果を出すためのプロセスこそが重要なのです。結果は、プロセスの延長であり到達点です。

管理すべきはプロセスです。

営業現場で、「売上」「利益」「受注件数」「受注金額」などの結果数字だけを管理している会社があります。

しかし、結果の管理だけなら経理担当者が簡単にできることであって、営業マネージャーの存在価値はありません。

結果に至る過程で、どれだけ各人が目標達成のために役割を果したかを明確にすることが、営業マネージャーに求められているのです。

ある会社で、2005年4月にプロセスマネジメントを開始したところ、2004年度売上7億2千万円が、6年後の2010年度には、12億8千万円になりました。

営業マンを1人も増やさずに売り上げを、約1.8倍に増加したというわけです。

マネジメントとは、結果の管理ではなくプロセスの管理です。

「プロセスマネジメント」の目的は、プロセスを管理することで、結果を最大化することにあります。


« »

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です