営業管理職のための知識

貴社の営業担当部署には、会社の営業指針を示す、マニュアルや行動方針などが存在し、文章化され、全員がそれを熟知していますか?

「練習」と「準備」の具体的な指導方法

「練習」と「準備」の具体的な指導方法

「練習」と「準備」の具体的な指導方法

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練習=ロールプレイングの実施

「2わかる」から「3できる」に育成する段階で重要になる練習、すなわちロールプレイング(ロープレ)について説明します。

まず、ロールプレイングの方法の概略です。

営業用台本(基本情報のみ)」と「お客様用台本(ニーズの全容情報)」を準備します。

ロールプレイングした結果、営業担当者はお客様と面談します。

時として、お客様からの抵抗があります。

評価者は、お客様を注視しできるだけ客観的な立場で営業担当者を評価します。

結果を評価表に記入します。

大多数の企業は、営業マンに対して、ロープレを実施していると思います。

しかし、実態はプッシュ型のロープレしか行っていません。

ソリューション営業の基本となるべきものは、プル型のセールスです。

ところが、そのためのロープレを見かけることはあまりありません。

ぜひ、プル型セールスの用の台本を作ることをお勧めします。

プル型のロープレに必要な台本は、セリフを克明に細部まで記入した「セリフ台本」とは異なります。

ロープレの究極の目的は、成功を擬似体験することにあります。

台本は自社の過去に成功した経験事例を用いて、お客様の背景や心の動きに焦点を当てた「設定台本」とします。

そうすると、参加者の関心が高揚し、学習意欲も高まります。

下表は、営業役のロープレ台本例です。

■実施手順について

あなたは、〇〇社の営業担当として、以下のお客様と面談を実施します。

以下の設定を確認し、ロールプレイングを実施してください。

●お客様情報

事業者名 △△リフォーム・ハウス株式会社
所在地 千葉県千葉市
事業内容 住宅・マンション。ビルのリフォーム業
資本金 1000万円
売上高 10億円
担当者氏名 鈴木 太郎
担当者役職 代表取締役社長
事業者概要 千葉県内に2店舗運営している。

主な担当は、千葉県の統括(北東部)エリア

●面談の経緯

アポの概要 Webからの資料請求。問い合わせから、個別相談会へ

●備考

評価者の合図と同時に、面談の席に着いたところからスタートします

{注意事項}

ロールプレイの制限時間などのついては、評価者の指示に従ってください。

実際の営業と同時に面談を実施してください。途中でやめたり、やり直したりはできません

評価者が評価することができるように、はっきりと大きな声を出しましょう

次は、お客様役のロープレ台本例(一部抜粋)です。

■実施手順について

あなたはお客様として、〇〇社の営業担当と面談を実施します。以下の設定を確認し、ロールプレイングを行ってください。

●お客様(あなた)の情報

事業社名 △△リフォーム・ハウス株式会社
所在地 千葉県千葉市
事業内容 住宅・マンション・ビルのリフォーム業
資本金 1000億円
売上高 10億円
担当者氏名 鈴木 太郎
担当者役職 代表取締役社長
事業者概要 千葉県内に2店舗運営している。主な担当は千葉県の統括(北東部)エリア
補足情報 地域の人に愛されたい、と思って会社を経営している。2年くらい前に給与体形を、歩合制から固定給制に変えた。そのとき、数名が退職して、引継ぎがうまくできなかった。
ニーズ・問題 以前よりチラシ作戦を行っている。3年前はヒット率が1件/4000枚だったが、今では1件/8000枚に落ち込んでいる。また、反響からどのような案件の進捗からされているかわからない。属人てきな営業スタイルから「見える化」したい。売上の構成率は、OBが30%を占めている。この率を50%に引き上げたい。
ゴール(狙い) 「見える化」したい
背景 リフォーム業界全体でチラシ反響営業の効果が低下している。新規顧客獲得は厳しく、OBからのリピートが盛んな企業が生き残っている。ニュースレターを全顧客(8000件)に、2回に分けて配信している(年1回の配信ペース)。
障害 *プレゼン後に発言してください。「営業の負担になりそうですね。本当に定着しますか?」「リフォーム業界には合わないのではないでしょうか?」

●面談の経緯

アポの概要 Webからの資料請求。問い合わせから、個別相談会へ

 

●備考

評価者の合図と同時に、面談の席に着いたところからスタートします。

{注意事項}

ロールプレイの制限時間などについては、評価者の指示に従ってください。実際に営業と面談するように実施してください。途中でやめたり、やり直ししたりはできません。

ロールプレイングを実施する際の注意点は、次の5点です。

  1. 台本を作ること イ、実際の場面を想定して、現実的な表現にすること ロ、プッシュ型になっていないか、点検すること。
  2. 実践的なものとすること イ、入室、名刺交換からのスタートとすること ロ、実際のパンフレット等を、自分の営業カバンに行うこと
  3. フィードバックを適切にすること イ、ロープレ本人ではなく、3人目として評価する者が必ず1人いること フィードバックは明確で具体的な行動を指摘すること
  4. 評価基準を設定する イ、評価する立場にある者は、あらかじめチェックシートを用意しておくこと ロ、本来あるべき営業の形態が、全員同一であること
  5. 定期的に実施すること 「週に1回、2時間」「毎朝30分」などとスケジュールを作成し、回数を重ねること。

以上の点に注意して、3人1組でロープレを実行します。

プッシュ型のロープレは、ひとりでも実行可能ですが、プル型のロープレは、相手がいないと不可能です。

それに評価者をプラスして3人です。

こうしたロールプレイングの効果は、営業マンの営業力の向上にプラスとなるのみならず、お客様からの新たなる発見も期待できます。

また、自社の営業力を向上させ、全員での議論を重ねることにより、さらにセールス方法を共有できることも可能となります。

付言します。

ロールプレイングを行うことによって「解決できるお客様の抵抗」です。

ニーズ潜在↑ 対処方法 事例・証拠 対処方法 その他
  〃 {アプローチ}1無関心 {ヒアリング}2不要・不急
ニーズ顕在↓ {プレゼンテーション}3不審 {プレゼンテーション}4不満
  〃 {プレゼンテーション}5誤解 {クロージング}6優柔不断

準備の重要性

「2わかる」から「「3できる」に教育する段階で、もう一つの重要ポイントが準備です。

商談中に、お客様から出てくる抵抗は次の6つです。

  1. アプローチ段階での「無関心」
  2. ヒアリング段階での「不要・不急」
  3. プレゼン段階での「不審」
  4. プレゼン段階での「不満」
  5. プレゼン段階での「誤解」
  6. クロージング段階での「優柔不断」

以上のうち、1、3、5は、事例や証拠を提示すれば解決できます。

お客様からの疑問に即時に答えることができるように、事前に資料を準備しておけばいいだけの話です。

具体的には、「その日の商談の最終ゴール」を設定し、過去の似たようなケースを用意するということです。

OJTに新しい視点を取り入れてみる

事前準備を徹底させるために有効なのは、マネージャーによる「OJT」です。

OJTとは、英語で、On-the-job-Trainingの略で、企業内で行われる企業内教育・教育訓練手法のひとつです。

これは、同行営業とは全くことなります。

同行営業には限界があります。マネージャーがつきに10件同行営業を行ったとします。

部下1人あたりに対して、せいぜい2~3件が限度でしょう。

OJTについて、意識改革をすべきです。

それが「事前準備のOJT」です。

マネージャーは、部下が営業に会社を出る前日か半日前に、10~30分程度の時間を作り、部下が商談時に使う資料を点検します。

「明日の訪問先は?」「この面談で、商談をどこまで進めますか?」「お客様から予想される質問は?」 これらの質問をしながら、部下と一緒に事前準備をします。

「2年前に〃ようなケースがあったはずだ」「A君は、これと同様な事例で成功した」 これらのアドバイスは、マネージャーだからこそできるのです。

「事前準備に関しては、マネージャーから点検と助言を受けてから営業に出かけるべし」という社内ルールを作るべきです。事前準備というものを重要視してください。


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