営業管理職のための知識

貴社の営業担当部署には、会社の営業指針を示す、マニュアルや行動方針などが存在し、文章化され、全員がそれを熟知していますか?

ゴールを設定し、必要な行動量に落とし込む
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ゴールを設定し、必要な行動量に落とし込む

「G-PDCA」をまわす

「G-PDCA」をまわす

○目標・ゴールが明確になると思考が変わる

プロセスマネジメント」を実践するうえで重要な考え方は、「目標から逆算する思考」です。

アミダクジで説明します。

アミダクジには、2種類あります。

ひとつは、成果がわからない場合です。

直感で選ぶしかありません。

もうひとつは、得られるものが事前にわかっている場合です。

この場合には逆算して、選択肢を選びます。

これはまさしく、「目標」が見えたから「思考・行動」が変化したことの証明です。

企業経営の神様MK氏の言、「経営者は、いつも将来というものが頭にないといけない。

そのうえで、今どうしたらいいのかを考えるのが、経営者としての発想である」。

これも、「ゴール」を見据えて考え、行動することの大切さを説いているひと言です。

○具体的な行動を部下に指示する

営業マネージャーは、部下に対して精神論を述べても意味はありません。

あいまいな指示は部下を迷わせ、また部下によってはバラバラな受け止め方をします。

しかし、多くのマネージャーが最終的な「売上」か「利益」という目標の指示しかしていないのが実情です。

具体的には、「年度末までに、これだけの目標を達成しなければならないぞ!気合を入れろ!」「こんなことで今月の目標を達成できるのか?何とかしろ」。

これを聞いた部下たちは、各々個別に営業活動を開始します。

しかし、各人の行動が、必ずしも的を射ているかというと、そうでない場合もあります。

大事なことは、「何を、いつまでに、どれだけ」というふうに具体的に指示すべきです。

そして、それを部下が確実に実行すれば、結果が出てくるという根拠を示すべきです。

部下への指示の仕方を間違えては、組織としての成功はあり得ません。 (さらに…)

分解したプロセスごとの実績を計測する

分解したプロセスごとの実績を計測する

○数値化することの重要性

プロセスマネジメント」の重要性を認識し、業務を「分解」することに取り組んでいる会社は、すでにあるでしょう。

しかし、業績を上げるのにそれだけでは不十分です。

多くの業績の上がらない会社は、「プロセスを分解しているだけ」です。

プロセスマネジメントの第1段階でプロセスを分解したら、第2段階では、「どのような仕組みにするのか」「どう、マネジメントするのか」「どう、目標を達成するのか」を考えなければ、業績は向上しません。

そのために必要なのが、各プロセスの実績を計測し、数値化することです。

○じゃんけんで、何を出せばいいのかが問題です

極端な事例を作りました。今、あなたが億単位の商談の最終決済の場にいるとします。

取引先の社長室には緊張した空気が漂っています。

先方の社長のおもむろの言です。

「私と1回だけ、じゃんけんをして、君が勝てば、発注します。あなたが負ければ、この話はゼロ。“あいこ”だったら、来月まで保留し、またじゃんけんをしましょう」

1回勝負のじゃんけん、あなたは、この重大な場面で何を出しますか?

もちろん、じゃんけんは、「一か八かの勝負」ですから、100%勝てる方法は存在しません。

しかし、たとえ微々たる差でも、勝率が少しでも高く、なおかつ負ける確率が少しでも低い手を知っていたとしたら、あなたはどうしますか?

じゃんけんの勝率について、桜美林大学のY教授は、人がじゃんけんを出す確率を1万回計測しました。

その結果、じゃんけんで出る割合は、グーが35.0%、パーが33.3%、チョキが31.7%でした。各々の「勝つ確率」と「負ける確率」が、下表です。

あなたが勝つ勝確率 あなたが負ける確率
あなたがグーを出す 31.7%(相手がチョキ) 33.3%(相手がパー)
あなたがパーを出す 35.0%(相手がグー) 31.7%(相手がチョキ)
あなたがチョキを出す 33.3%(相手がパー) 35.0%(相手がグー)

上表の数値によると、負ける確率がもっとも低く、なおかつ勝率がもっとも高いのは「パー」ということになります。

ここで、「グーもパーも、勝率は4%しか違わない」と思われる方がいるかもしれません。

しかし、4%はばかにできない数字です。

たとえばマーケティングでは、0.1%の反応率の違いが判断の根拠になるのです。

数値化することは、「一か八か!」の勝負よりも、科学的な信頼性が高いと言えます。 (さらに…)

KPIを設定する

KPIを設定する

○「セールスのつぼ」を発見します

営業プロセスの中に、「セールスのつぼ」と呼ばれているものがあります。それは、「このプロセスまで話が進むと、ある一定の割合で最終的な結果に至る」というものです。トップセールスマンは、経験上、「セールスのつぼ」を心得ています。

ある自動車ディーラーのトップセールスマンに、車両販売のコツを聞きました。その言は、「最初から販売することを考えずに、まずは“試乗”してもらうこと」でした。つまり、自動車販売は「契約」という行為の結果ですが、その前に、「セールスのつぼ」として「試乗」というプロセスがあるということです。「試乗」したお客様の6~8割は契約するそうです。

また、非常に好調なウエディングプランナーに、挙式や披露宴をたくさん売るコツは、「即決で判断よりも、とりあえず、”仮予約“をもらうことが大事」だそうです。ウエディングにおける、「契約」という結果の前にある「セールスのつぼ」は、「仮契約」というプロセスです。数年前のある結婚情報誌の調査によると、カップルが挙式・披露宴の会場見学をするのは、平均3~4件だそうです。成約率25~35.3%とです。ところが、「仮予約」したお客様の成約率は、70%を越えるそうです。迷っている顧客に半歩前に進んでもらうのが、「仮予約」というプロセスです。だからこそ、接客するウエディングランナーは、頭の中の契約金のことを考えて成約を急がずに、最低でも「仮予約」を考慮すべきです。

こうした「セールスのつぼ」は、あらゆる営業に存在します。トップセールスマンは、「いかにして最高の結果を得るか」という「セールスのつぼ」を、経験上無意識のうちに収得して行動に移しています。その「セールスのつぼ」を全営業マンが収得していれば、全体の売上・利益の向上につながることは言うまでもありません。

○「課題」の前のプロセスのどこかに「セールスのつぼ」があります

営業プロセスを分解すると、必ずどこかに「課題」となるプロセスがあります。

たとえば、1,前のプロセスから、次のプロセスへ移る保留率が低い 2,営業マンの腕前で、はっきりと差が出ているプロセスがある、などです。課題を発見次第、その前のプロセスをよく調べると、ボトルネックがあるはずです。

場合によっては、課題よりさらに前のプロセスを分解する必要があります。

ボトルネックを発見したら、その手前のプロセスでの解決策を考えます。

それによってボトルネックが解消し、先のプロセスにある「セールスのつぼ」に高い確率で導けば、より大きな成果が期待できます。

先ほどの自動車ディーラーの場合には、「見積」と「契約」の間にボトルネックがありました。

「契約」の前に「試乗」という新たなプロセスを発見しました。

これが「セールスのつぼ」です。

「試乗」したお客様は、しなかったお客様よりも、高確率で「契約」しています。

ウエディングランナーのケースも、同じように考えられます。

「見積」の次に、日程の「仮予約」までしたお客様は、「契約」する可能性が高いといえます。すなわち、「仮予約」という「セールスのつぼ」になるプロセスを発見できたというわけです。

「セールスのつぼ」とは、「“ここまでいけば、高確率で目標に到達する”という商談上のプロセス」です。 (さらに…)

課題解決能力を身につける

課題解決能力を身につける

○現状の課題は把握できていますか? 解決の方法はありますか?

部下に対して、具体的な行動の指示を出す場合に、その指示は「結果を最大化する=目標を達成できる」ことにつながっている必要があります。

そのためには、営業全体の課題を発見しなければなりません。

ここでも、その課題は具体的なことが求められます。

「うちの営業マンは、とにかくダメだ」「何か、全体に覇気がない」こういうあいまいな課題は感心しません。

営業全体の、具体的な課題を明確にすることが肝要です。

もちろん、課題が明確になっただけでは、不十分です。

その課題をいかにして解決するか、そのために部下に何を指示するか。

これが、営業マネージャーの仕事です。

そして、部下に対しての指示は、具体的で数値化されたものが要求されます。

営業マネージャーの役割は、

  • 結果を最大化するために、現状の課題を発見すること
  • その課題を解決する具体的な方法を考えること

です。

そしてこの2つを同時に行うのが、プロセスマネジメントです。

○目標から逆算したKPIは実現可能ですか?{練習問題2}

営業マネージャーには何が求められるか。最も重要なのは、課題解決力です。

課題はいつでも発生しますから、部下には具体的で明確な指示を出さなければなりません。

そうしなければ、必ず現実とのギャップが生じます。

問題は、その時にマネージャーが的確な問題解決策を示し、軌道修正できるかどうかです。

練習問題1で、目標から逆算して営業マンの日々の必要行動量を求める計算方法を説明しました。

ここで前提条件が変わり、もし営業マンが8名ではなく、6名だったとしたら、計画上すでに破たんしている可能性が高いのですが、それはどのようにしてわかるでしょうか?

一般論で簡明にお答えください。 (さらに…)

最終目標の数値から逆算して、各プロセスの行動量を計算する

最終目標の数値から逆算して、各プロセスの行動量を計算する

○次のプロセスに移る際の「歩留率」を出してみます

KPIを見つけるための大事なポイントがあります。

それは、あるプロセスから次のプロセスへ移行する際の「歩留率」です。

事例をあげます。

6ヶ月間の実績が、初回面談=1000件、提案=200件、見積=160件、受注=48件であったとします。

この場合、各プロセスから次のプロセスへ至る「歩留率」は、次のようになります。

案件化率=提案200件÷初回面談1000件=20%、見積提出率=見積160件÷提案200件=80%、成約率=受注48件÷見積160件=30%です。

いかがでしょうか。

これが、あなたの会社の営業部署の現状の「歩留率」であり、「実力」です。

○目標から逆算し、必要行動量を設定します。{練習問題1}

事例をもとに、目標から逆算して行動量を計算してみます(制限時間10分)。

営業マン8名、月間目標受注額=5000万円、平均受注単価=200万円の会社の場合です。

その会社の営業プロセスをシンプルに分解すると、<1>初回面談→<2>ヒアリング→<3>提案・見積→<4>受注という過程です。

初回面談からヒアリングに至る「案件化率」=20%、ヒアリングから提案・見積に至る「見積率」=80%、提案・見積から受注に至る「成約率」=30%、前提条件として、商談期間は1ヶ月以内、1ヶ月間の営業稼働日数は20日間、各プロセスにおける必要訪問日数は1回とします。

この会社が目標達成するために必要な、「1日あたりの訪問件数」「1週間当たりの見積件数」は、それぞれどうなるでしょうか?小数点以下は切り上げて整数で解答してください。 (さらに…)