営業管理職のための知識

貴社の営業担当部署には、会社の営業指針を示す、マニュアルや行動方針などが存在し、文章化され、全員がそれを熟知していますか?

ソリューション型営業部隊をつくる、人材育成のポイント
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ソリューション型営業部隊をつくる、人材育成のポイント

人材育成は「質の向上」が目的

人材育成は「質の向上」が目的

「量」を目的にすることのリスク 

ここまでは、営業マネージャーが当然するべきこととして、プロセスマネジメントの方法論を説明しました。

経営者や営業マネージャーの方からよく聞かれることがあります。

「経営の仕組みをつくり行動量を管理していたら、目標達成を無視して、件数だけを増やそうとする営業マンが増えてしまいませんか?」プロセスマネジメントでは、「量」を管理するために重要な営業プロセスについては数値目標を設定します。

行動量だけに視点を置くと、「とにかく、1日最低10件訪問すること!」「早急に、見積を週に最低5件以上出すこと!」という方向に考え方が向きがちです。

体力と行動力が要求されるというわけです。

たとえば「1日の最低訪問件数」を厳守させることは、目標から逆算したKPI指導ですから、企業の営業政策上の道理に沿った考えと言えます。

しかし、ここに問題があります。

部下たちがその「数字」だけを目標に行動することは、「こなすだけ」の営業に陥る可能性があります。

「量」すなわち数字だけを目標にした行動には限界があります。

営業マネージャーは、KPIの必要行動量を計算しますが、その数字の目標を達成することが不可能に近いと気づいたら、営業の「質」の向上を改善することを考えるべきです。

必ずいくつかの選択肢が浮上してきます。

「プロセスマネジメント」は重要ですが、自社の営業力向上のためには、「ソリューション営業マン育成」の考え方も導入し、車の両輪として実践すべきです。 (さらに…)

ソリューション営業のマインドを浸透させる

ソリューション営業のマインドを浸透させる

ソリューション営業」とは

ソリューション営業を定義すると、「顧客の望む物は何か、顧客の立場にたって、顧客の心底を理解し、真の問題解決を目指し、長期的に顧客との連帯関係を構築する営業手法」のことです。

現代は、高度情報化社会であり、お客様がどのような商品・サービスを選択すべきか、判断が困難な時代と言えます。

前時代的な御用聞きや、モノ売り商法は通用しません。

営業マンがすべきことは、お客様へ物を売ることではなく、お客様の心の問題を解決することです。

そのための手段として、自社の商品やサービスを紹介し、お客様が商品を購入することになるというわけです。

以上から言えることは、「ソリューション営業」の場合、営業マンに高いスキルが求められているということです。

手順に説明します。「押し売り」(無理やり販売すること)→「御用聞き」(お客様のご要望への対応だけ。

いいなり)→「商品説明(物売り)」(商品を説明し、ニーズがあれば売る)→「コンサルティング」(課題の設定が自社商品に限られる。

お客様自身の課題を視野に入れる)→「ソリューション」(課題の設定が自社商品に限られない。お客様のお客様まで視野に入れる)という段階まで営業の社会も時代の変化の波が押し寄せているということです。

営業マンが時代の変化をよく読んで自分自身をスキルアップしなければなりません。

プル型営業のマインドが求められています

モノ不足の時代は、バナナの叩き売りに代表されるようなプッシュ型営業が主流でした。

行動力が営業マンに強く要求されていました。

ところが、時代は変わりました。

大量生産・多機能製品、お客様は商品選択を簡単にできなくなりました。

加えてインターネットの爆発的な普及は、多量の情報を瞬時に入手できるようになり、情報の伝達スピードが高速化されました。

その結果、お客様はその情報をどう処理し、自身の生活に何を役立てるべきなのか、判断することが困難になっているのです。

そこで、営業マンに相談役としての役割をしてもらい、自分自身に合った商品選定を、その道のプロに求めるというわけです。

つまり、営業マンはプル型営業をすべきなのです。

会社視点で言えば、営業マンは「物を売ること」が本来の仕事ですが、お客様との関係で言うならば、「どれだけお客様の要望を満足させることができるか」、が営業マンの果すべき役割です。

お客様の要望を満足させる一手段として、自社商品を紹介し、結果として購入していただく、プル型の営業マンを時代が要請しているのです。

会社は、お客様がいなければ、商売が成り立ちません。

「お客様の要望をいかにして満足させるか」を重要視すべきなのは言うまでもありません。

100%かそれに近いくらいお客様の要望を満足させると、お客様は会社の営業方針を支持し、結果は数字となって現れます。

したがって、ソリューション営業では、お客様の課題解決方法を考える際に、広い視野に立って相談に乗るべきです。

それは、自社商品のみですべてを解決しようとせずに、他者商品をもサービス対象とするということを意味します。

そのためには、お客様に対して、親身に相談に乗らなければなりません。

お客様自身が、今の自分の人生で何をすべきなのか、いかなるモノを購入すべきなのかを十分に認識していないことがあるのです。

広い視野に立ってお客様と十分に対話し、お客様の潜在的な要望を表面化させる、という作業が望まれます。

それこそが、ソリューション営業における、面談の大事な役割のひとつなのです。 (さらに…)

プル型営業マンを育てる、人材育成の仕組みづくり

プル型営業マンを育てる、人材育成の仕組みづくり

知らない→わかる→できる→続ける 

「売れない営業マン」を「売れる営業マン」に教育し、成長させるのが、マネージャーに与えられた重大な使命です。

では、その成長過程とは、どのようなものなのでしょうか?

営業経験ゼロの新卒の新入社員が、「売れる営業マン」に成長するための過程は、1知らない→2わかる→3できる→4続ける この4つの段階を踏むはずです。

「当然のことだ」という反論があると思います。

しかし、皆さんの会社の現状はどうでしょうか?

大部分の研修やセミナーは「1知らない」から「2わかる」の段階で停滞していませんか?

さらに視野を広げて見たところ、ソリューション型営業マンになるための社員教育を意識的に行っている会社は、極少数であることが現実でした。

営業マネージャーが目指すべきは、ソリューション型の営業マン育成です。

正しく道理に適った社員教育を行えば、誰でもソリューション型のトップセールスマンになることができます。

以下は、そのために必要な行動です。

人材の育成は、3つのステップを経て行います(前記の成長過程を拡大した説明です)。

第1ステップは、「1知らない→2わかる」です。

これは、「標準化・共有化」で、会社の研修会やセミナーで実施されます。売る以前の営業段階です。

第2ステップは、「2わかる→3できる」です。

これは、「練習と準備」の段階です。

第3ステップは、「3できる→4続ける」です。

ここで、「仕組み化とプロセスマネジメント」が実行され、最終目標の売れる能力ある営業マンが誕生するというわけです。

「1知らない」から「2わかる」に育てる

これは、多くの会社が一般的な研修会やセミナーで行っていることです。

「標準化・共有化」とは、営業マンの心構えと、基本的に養成しておくべき能力と獲得しておくべき知識を教えることです。

当然のことですが、それらの内容は、会社の経営理念や既存の営業マンの行動と連動しているべきです。

この段階で、「会社が望む人材」「会社が理想とする営業スタイル」「基本となる知識、マナー」などを理解させるべきです。 (さらに…)

「練習」と「準備」の具体的な指導方法

「練習」と「準備」の具体的な指導方法

練習=ロールプレイングの実施

「2わかる」から「3できる」に育成する段階で重要になる練習、すなわちロールプレイング(ロープレ)について説明します。

まず、ロールプレイングの方法の概略です。

営業用台本(基本情報のみ)」と「お客様用台本(ニーズの全容情報)」を準備します。

ロールプレイングした結果、営業担当者はお客様と面談します。

時として、お客様からの抵抗があります。

評価者は、お客様を注視しできるだけ客観的な立場で営業担当者を評価します。

結果を評価表に記入します。

大多数の企業は、営業マンに対して、ロープレを実施していると思います。

しかし、実態はプッシュ型のロープレしか行っていません。

ソリューション営業の基本となるべきものは、プル型のセールスです。

ところが、そのためのロープレを見かけることはあまりありません。

ぜひ、プル型セールスの用の台本を作ることをお勧めします。

プル型のロープレに必要な台本は、セリフを克明に細部まで記入した「セリフ台本」とは異なります。

ロープレの究極の目的は、成功を擬似体験することにあります。

台本は自社の過去に成功した経験事例を用いて、お客様の背景や心の動きに焦点を当てた「設定台本」とします。

そうすると、参加者の関心が高揚し、学習意欲も高まります。

下表は、営業役のロープレ台本例です。 (さらに…)

人材育成にあたって営業マネージャーが注意すべきこと

人材育成にあたって営業マネージャーガ注意すべきこと

「2―6―2」の法則

次は、延べ2000社以上のコンサルティングの結果、ほとんどの会社の営業マンの数字です。

イ、できる営業マン 20%(問題発見能力が優れていて、行動力が並以上である)

ロ、そこそこの営業マン 60%(問題発見応力はあるが、行動力に乏しい)

ハ、ダメな営業マン 20%(問題発見能力が乏しい)

以上は、「2-6-2の法則」そのものです。

営業マネージャーの皆さん、日頃からこの数字、思い当たることはありませんか?

しかし人間は、出生時から、上位2割と下位2割が宿命というわけではありません。

人間誰でも、上位2割になることができる可能性があります。

そのような営業マンを育成するのが、営業マネージャーに与えられた仕事です。 (さらに…)