営業管理職のための知識

貴社の営業担当部署には、会社の営業指針を示す、マニュアルや行動方針などが存在し、文章化され、全員がそれを熟知していますか?

結果よりもプロセスを重視する

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○なぜ、プロセスに注目するのでしょうか

営業部署における「型」とは何でしょうか?

あの有名な経営学者P氏も、「企業が経営戦略を実行するうえで必要な要素は、資源、プロセス、価値基準である」と言ってます。

プロセスに注目することの大切さを説いているというわけです。

ここで、会社の業績が上がらない原因について考えてみます。

アメリカのR氏、L氏が、企業の業績が向上しない原因として、

  • 仕事の進め方がわからない→30~40%
  • 目標や役割について認識不足→30~40%
  • 能力不足→10~20%
  • 報酬や評価がない→10~20%

という調査結果を発表しています。

つまり、業績向上のためには、「仕事の進め方」や「目標や役割についての認識」を明確にして、共有化することが効果的ということになります。

「仕事の進め方」とは、換言すると業務の工程、すなわちプロセスです。

「目標」に向けてのプロセスにおける各自の「役割」を明確にすることが大切です。

これこそが、仕組みづくりであり、営業全体が持つべき「型」です。

「型」とは、プロセスに注目して見える化することです。

○実際にプロセスを分解してみる

では、次に設定した事例によりプロセスを「分解」してみましょう。

*目の前に、「冷えたビンビール」と「冷えたグラス」と「栓抜き」があります。

誰でもおいしいビールが注げるように、グラスにビールをおいしく注ぎ終えるまでの行動を分解してみましょう。

この事例を、いくつに分解できるでしょうか?

またいくつに行動分解できそうですか?

この問題に正解はありません。

5つ以内の人もいれば、10個以上に分解する方もいることでしょう。

多ければよいとは一律には言えません。

組織によって、適正な分解量があります。

次の例は、7つのプロセスに分解した回答です。

  1. 瓶ビールの栓に、栓抜きを引っ掛けてはずす。
  2. グラスを垂直にし、瓶の注ぎ口をグラスに近づける。
  3. グラスに瓶の注ぎ口をつけずに、グラスの底にビールを落とすように、勢いよくグラスの半分くらいまで注ぐ。
  4. 3秒間、泡が落ち着くのを見守る。
  5. グラスを徐々に傾け、「泡のフタ」を傷つけないように、グラスの壁面に沿わせて、底にビールを流し込むように注ぐ。
  6. グラスを徐々に垂直に戻し、ビールと泡の比率を7:3にする。7,調整のために少しビールを注ぎ、泡がグラスから1ミリほど盛り上がったところで止める。

大手ビール会社の某幹部の言を参考にして、できるだけ細かく分解したところ、35個に分解できました。

いかがですか。

これだけ細分すると、「誰でも」おいしいビールを注ぐことができますね。

〇プロセスを分解するときに気をつけること

さて、この問題で、時々間違いがあります。

大きく次の4つです。

第一は、ゴール(最終目標)を間違える人がいるということです。

この行動分解は、うまいビールを注ぎ終えるのが最終目標です。

設問文には、「注ぎ終えるまで」と書いてあるにもかかわらず、最後の行動が「グビグビと一気に飲み干す」となってしまうケースです。

第二は、スタートを間違える人がいることです。

設問文には、『目の前に「冷えた瓶ビール」と「冷えたグラス」と「栓抜き」があります』と書いてありますが、「1.グラスを冷やす」と答える人がいます。

第三は、目的に対して、無意味でムダな行動を取り上げる人がいます。

たとえば、「栓抜きで栓を叩く」というプロセスです。

先ほどの大手ビール会社の某幹部の発言によると、「栓抜きで栓を叩く」ことは不適当であるとのことです。

その理由は、味には何ら影響を及ぼさないうえに、場合によっては、ガラスの破片がビールに混入する危険があるからです。

第四は、正しい工程を知らない人です。

瓶ビールの注ぎ始めに、グラスを斜めにするか、それとも垂直にするかが問題です。

実は、注ぎ始めはグラスを垂直にするのが、瓶ビールをおいしく注ぐコツです。

最初に、意図的に泡を立てて「フタ」を作ることで、炭酸ガスが抜けないようにするのです。

「ビールを注ぐ」という身近にある事例でさえも、行動の分解の仕方は、人によりさまざまです。

これを、部下に対して「おいしいビールを注げ」という結果だけを求めたとしたら、注ぐことはできても、「おいしく」注ぐことはできないと思います。

これは、営業でも同様です。ゴールが受注でない会社もあるでしょう。

その場合は、入金や納品がゴールになっているのですから受注数を目標にするのは間違いです。

たとえば提案書作成にあたって、社内にその“ひな形”があることを知らずにゼロから作る人は、スタート位置自体が間違いです。

また、「見積書を複数回出すのが自分の会社の流儀である」というムダに気がつかない人もいます。

正しい工程、プロセス等について、多くの会社、営業マネージャーは無意識なのが現状です。

10年以上もビールを飲んでいるからといって、おいしい瓶ビールの注ぎ方を知っているわけではありません。

同様に、営業歴10年以上だから、営業が他の営業マンより一段上というわけではありません。

だからこそ、“上手な”営業の「型」を作り、部下に指導することが強く望まれるのです。

結果だけで、部下を評価し責めても、問題は解決しません。仕事のプロセスを明確にし、「型」を作ることは、こういう点でも非常に大切なことなのです。


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