骨董品ビジネスを始めよう!

「道楽」は崩れた感じがしますが、「趣味」は人生の糧のようなもの。道楽に陥らない、骨董収集の手ほどきと、単なる趣味でなくビジネスに繋げる道筋を紹介していきます。

陶磁器

陶磁器

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土をこね、火の力を借りて焼き上げる陶磁器は、技術だけではどうにもならない、別の力が働きます。

完璧なもの、歪んだもの、割れたものまでそれぞれの中から心に響くものを受け入れるのが日本の文化です。

中国人は玉を好み、そこに精緻な技を施します。

陶磁もこの思想の延長線上にあり、妥協しない、自分たちの美の基準に合わせたものだけを追い求めます。

宋代の白磁のように胎土から不純物を除き、透き通るような白を生み出し、青磁では完璧な玉の青を目指します。

わびさびなど必要なく、技術の高さを追求する文化です。

朝鮮半島、東南アジア、ヨーロッパの陶磁など、世界各国で焼かれた焼物は、その国の人々が持つ文化を映し出しています。

古代から現在まで、ありとあらゆる作品がネットに出品されています。

では、これら陶磁器をどう見て、どう扱えばよいか考えていきましょう。

日本陶磁

土器はどの国も新石器時代に誕生していますが、日本の縄文土器は世界最古といわれ、約1万5000年前に作られています。

弥生土器はオークションでもたくさん出品されています。

できるだけ完器に近い品を求めましょう。

また、火色や形の珍しい物を探すとよいでしょう。

修理がしやすいので、修理箇所の有無を十分チェックする必要があります。

できれば1ヶ所くらいの物がベストで、2ヶ所以上、または底までひびが入った物は落札しない方がいいです。

資料として好まれる物と、実際に使える物との価格差は大きく、前者は安く落札しても、次に転売する時には売れないことが多いです。

例外は埴輪で、船や人物など珍しい形の物には高価なものもあります。

7世紀頃、朝鮮半島から渡来人がやってきて、須恵器を焼いています。

土器と陶器の中間的な焼物で、灰釉がたっぷりとかかり、花生けなどに使われる物は市場で2~30万円で取引されています。

色は青磁のような緑色が好まれ、黒褐色になるほど値が付きにくくなります。

無釉の物や経年変化で釉薬が落ちてしまった物は敬遠されます。

骨董は現代の工業製品のように、決まった企画で作られているわけではありません。

傷や灰釉の色、珍しい形などを総合して価格が決まるので、そこを見極めることが大事です。

平安初期~鎌倉・室町にかけては六古窯の焼締め陶磁があります。

水を入れる壺、もろみを発酵させて酒を造る甕(かめ)、種籾を保存する丈夫な壺を必要とし、そんな大型壺を焼いたのが六古窯で、瀬戸、常滑、伊賀、信楽、珠洲、丹波、備前となります(伊賀と信楽は1つと数える人もいる)。

5~60万円出せば桃山期のかなりな作品が買えます。

ネットで検索すれば常時、大壺や水指などが出品されています。

六古窯作品が安くなったのは、和家具と同じように、家が狭くなって置き場所がないのが大きな理由ですが、取引が活発でなく値段が下がっていることもあります。

江戸時代初期に有田で磁器が焼成されました。伊万里、柿右衛門、九谷焼などに代表される作品です。

朝鮮半島や中国の技術が入ってきて、美しい絵付の作品が焼かれ、ヨーロッパや東南アジアへ輸出されました。

そのような古伊万里や柿右衛門もかなり値下がりしています。

心に響く美しい物でも、日本国内だけで通用するような取引は今後難しいでしょう。

江戸中期の発明家、平賀源内が焼かせた焼物は、使用することより鑑賞に重点を置いたもので、地図あり、詩文・物語あり、ワインカップや英文字皿までありの、あらゆるものを美的にアレンジした作品です。

ネットオークションにも「源内焼」として出品されるようになっており、高値になる物もあります。

知られていない作品を発掘し、研究して多くの人の共感を得る作業は、とても楽しいものです。

日本陶磁の中には、国際的に通用する作品がまだまだ存在します。

特に幕末~明治の地方窯の作品は、まだ研究されていないものが多いです。

日本陶磁のポイント
1.研究されていない古陶磁を見つけよう2.安いから、誰より先に良い物を収集できる3.美術館などと連携し、催しを仕掛ける

4.ブログで趣味の会を立ち上げる

中国陶磁

世界で50点ほどしか知られていない汝窯の作品が、香港のオークションにおいて21億6000万円で落札されました。

直径13cmほどの小皿で一部破損を修理しているというから、驚きです。

2005年7月には元染付の壺がロンドンのオークションにて31億7600万円で落札されています。

中国陶磁のコレクターは世界中にいますし、その広がりは中国経済の成長とともに増加しています。

中国人ディーラーが世界中で自国の骨董を買い付けているのは、コレクター人口が急増しているからでしょう。

日本でも高度経済成長の時、海外に輸出された古伊万里や薩摩焼が里帰りしたことがあります。

中国人ディーラーは今、明清期の陶磁器や元や宋の作品を主に買い付けています。

それより古い物は中国政府の規制などの問題で市場取引がやりにくいとかで、積極的ではありません。

しかし早晩、古い時代の作品も収集対象になると思われます。

ネットで値頃な作品を見つけ、買い付けても損はしないように思われます。

それに今はおとなしくしている日本人コレクターも、古い中国磁器は大好きです。

中国磁器は極めて精巧な偽物が作られています。

これを見極めなければ大損してしまいます。

中国は広い国土のあちこちに窯があり、その全体を掴むのは専門家でも難しいです。

とはいっても、コレクターが好む時代や窯などで有名なのは20もありません。

例を挙げると越窯、龍泉窯、耀州窯の青磁、建窯の天目、吉州窯の玳玻盞(たいひさん)、景徳鎮の白磁と染付、唐のけい州窯、定窯の白磁、耀州窯は唐代に三彩を焼いています。

福建省や広東省で焼かれた輸出用呉須作品、田坑窯の交趾作品、河南窯の黒釉銹花、磁州窯の鉄絵や掻き落とし、雲南省の玉渓窯の染付、汝窯を初めとする官窯の作品、乾瓦窯を初めとする遼の陶磁は白磁、三彩、鉄絵、緑釉や褐釉を焼いています。

美術館に行き、作品と出会えば頭の中に入ってきます。

窯を分類し、そこで焼かれた作品を記憶する、これが中国陶磁で最も重要なことです。

中国陶磁のポイント
1.宋代より古い作品が狙い目2.数が多いので傷のない物を選ぶ

東南アジアの陶磁

日本では今までメジャーではなかった東南アジアの陶磁器も、経済発展や華僑の人たちが注目し始めたため、価格が急上昇しています。

●ベトナム陶磁

ベトナム陶磁は中国陶磁を倣って焼成されており、17、8世紀頃までその影響が続きました。

中でも注目されているのが14~15世紀にかけて作られた染付作品です。

特に元染付がモデルと思われる大壺、大鉢などは価格が天井知らずの感があります。

●カンボジア陶器

1975年から3年に及ぶ、ポル・ポト派による統治は、カンボジアの美術の流れをも変えてしまいました。

それまで古陶磁の研究はフランス人による1950年代の論文くらいしかありませんでしたが、1980年頃になると、カンボジアの陶磁器が大量にタイへ流れてきて、新発見が相次ぎました。

内戦で破壊された町や村を復興するため、道路工事中に発見された窯跡や遺跡から彫り出された陶磁器です。

クメール陶磁の壺や瓶はインドの造形を元に、中国の製陶技術が垣間見える特異な焼物で、そのほとんどが祭器として作られたので重厚な作りになっています。

カンボジアは2012年GDPが年率7%と高い経済成長を達成しています

。今後美術品は大きく値上がりするでしょう。

黒釉や灰釉を使った単純な色合いながらも、魅力的な陶磁はネットオークションでも落札率が高くなっています。

●タイ陶器

タイの陶磁は宋胡録(すんころく)と呼ばれ、茶道具として日本人にも馴染みがあります。

特に香合は宋胡録柿香合、九画香合などと呼ばれ、大名道具としても有名です。

小堀遠州の遠州蔵帳、松平不昧の雲州蔵帳にも記載されています。

インドネシアのスラウェン島では、香合などがよく出ています。

この島では中国やベトナムの陶磁なども出土することが、戦前から知られていました。

タイの陶磁が本国にあると思うのは素人考えで、輸入した陶磁器を宝物として古墳へ埋めるため、輸入先の方が良い物が出るのです。

タイ陶磁のポイント
1.糸口を掴み手繰り寄せる2.サンプルを持っていく。言葉より正確に語ってくれる3.検索するにも本歌を手元に置いて確認しよう(破片でも可)

●朝鮮陶磁

朝鮮半島の陶磁の価値を見出したのは、日本人の美意識です。

室町末期、茶人たちは朝鮮半島の焼物を高麗物と呼んで珍重しました。

椀や壺、皿のような物を香炉、茶入れ、水指、抹茶茶碗に見立てて用い、井戸茶碗などは大名物(おおめいぶつ)として、信じられないほどの高値で取引されました。

李朝白磁の瓶を眺めていると、何かそこに大らかで素朴な人々の暮らしが見える人や、椀の中に禅の言葉を悟る茶人もいるそうです。

それが焼物好きの日本人に好まれた理由でしょう。

朝鮮陶磁を時代ごとに分けると、「三国~新羅時代までの焼締め土器の時代」「高麗時代の青磁を中心とした青の時代」「李朝時代の三島と白磁を中心とした白の時代」に分けることができます。

三国~新羅時代の土器は、この国の特色を示しています。

特異な器形、装飾された土器は中国にもなく、その技術は渡来人を通して日本にもたらされ、須恵器の元となりました。

朝鮮半島の土器は藁や草の上に置いて焼成したため、そこに稲藁の跡がついていることが多いです。

それに強い還元がかかっているため、須恵器より黒褐色に焼き上がっています。

主に明器として使用されたため、子持ち壺や高坏、蓋付き合子などの形状も多いです。

高麗時代の青磁作品は、3つの区分ができます。

素文か線刻文が施された、翡色青磁と呼ばれる中国陶磁を模した美しい青磁の時代。

白や黒の象嵌が施され、やや青磁の色が濁っている高麗中期の華やかな時代。

元の支配により高麗青磁が終末期を迎える、退化した青磁の時代。

このように分けて考えれば、「陶は政なり」という言葉がぴったり当てはまります。

李朝時代の初期は、三島と呼ばれる粉青沙器が焼かれています。

荒い胎土に型押しや彫り込みを行い、白泥や黒泥を使って象嵌を施す朝鮮半島独自の作品です。

また、化粧土の上に鉄絵で花や魚などの文様を描いた作品も焼成されています。

李朝時代は白の時代ともいわれ、中国の明の宣徳帝から白磁が送られてから、朝鮮半島でも作られるようになりました。

李朝白磁を3つに区分すると、乳白色で柔らかな白の時代、やや青みを帯びた青白色の時代、分院を頂点とする青く澄んだ磁器の時代があります。

それぞれに鉄絵や青花による文様が施されることもありますが、初期の白磁には単純な鉄絵が多いです。

この時期の作品は非常に高く、市場ではほとんど見られません。

中期にも鉄絵や染付が施された物がありますが、それらの中に宮廷画家が描いたと思われる素晴らしい作品もあります。

後期は分院と呼ばれる官窯の作品と、地方で焼いた作品があり、染付、鉄絵、白磁、黒釉、瑠璃釉などの多彩な技法が展開されました。

また、文房具、花器、茶道具などさまざまな用途の物が焼かれ、大型化しています。

現在、日本の骨董市場に出回っている朝鮮陶磁の総量は、本国より多いかもしれません。

朝鮮陶磁のポイント
1.骨董サイトの中で出品数は最も多い。チャンスも多いので丁寧に検索2.実用の器として酒器や花器、鑑賞用としては高麗青磁が有望。三島も韓国での需要がアップしている


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